2009/07/04
00:00:00
「前に、約束したよね。俺が、俺自身の力をどうしようもなくなったら…絶対に、お前が止めてって。お前じゃないと嫌だって」
その言葉に、高杉がその約束を思い出したようで、目を見開く。
高杉がちゃんと思い出してくれたことを確認して、久坂がゆっくりと息をついた。
それは、初めて久坂があやかしの状態に陥って、制御できない状態になった時に、交わした約束だった。
あの時、初めて“久坂誠が好きだ”と言葉にして告げてくれた高杉を忘れない。自分の一方的な願いを、誓ってくれた高杉を忘れない。その言葉は、本当は“クサカ”であった時も、何度も高杉に言いたかった事だった。自分を満たす存在でいてほしくて、そして、自分の中のどうにもならないこの力を、滅ぼして欲しかったのだ。高杉以外に、それをしてほしくはなかった。
いつも、いつも、昔から俺は、わがままで。高杉が大好きなのに、置き去りにしていく。
それでもこんな自分を、高杉が望むのなら、追いかけてきて欲しい。その時は、愛じゃなくてもいい。憎んでいてもいいとさえ思っている。それでも、追いかけて来てほしいのだ。
そんな風に、いつもわがままだ。
そう久坂は心の中でつぶやくと、再び口を開いた。
「俺の望みを、もうお前は受け取ってくれたはずなんだ。だから、お前にしかできない事なんだよ。俺は、ずっとずっと、俺の望みを叶えてくれるお前を望んでたんだよ。本当は…もっと早く、こうしなきゃいけなかったんだろうけど…。でも、俺、お前のこと好きすぎて、どうしても踏ん切りがつかなかったんだ。お前に話すことすら、できなかったんだ。自分の力を、忘れてしまいたかったんだよ。でも、それが結果的に、今回のことを引き起こしてしまったんだ」
そこまで言って、久坂が目を伏せた。
そのまま、視線を走らせて、高杉と、桂との距離を測る。
久坂の力が動いたことに気がついた二人の動きを、久坂が笑顔で制した。
「俺たちはつきあいが長いから…。ごめんね、桂。でも、お前にも、俺はやっぱり甘えてるね」
「久坂?!」
久坂の周りに、黒い力が壁のように競り上がった。その勢いに、高杉も桂も、視界を奪われた。
「…っ、!!」
桂が一帯に張っていた結界が、ガラスが割れるような音をたてて、崩壊した。一瞬の出来事に、桂の動きが止まる。こうなると、桂もうかつに動くわけにはいかなかった。先ほど久坂が言ったように、付き合いの長いクサカは桂の力を熟知していて、本体までその力で侵入してくるほどの力を持っている。そして、お互いの力を知っているからこそ、本体が本調子でない桂が全力を出せないことを知っているのだ。
もし今久坂を止めるために力を動かそうものなら、また時空をゆがめてしまう可能性もある。火印に頼ることもできない。
結界を砕くほどの力がその周囲に流れるのを止めるのに今の桂だけの力では間に合わない。側にいる高杉も、その桂を守って立っているので精一杯だった。ただ、瞳だけは、しっかりと久坂を見つめる。
「…待ってるからね。高杉、俺、お前を待ってる」
「く、さか…っ!」
「…考えたな、久坂…。今の私の力の限界を読んだというわけか。やられたな」
いつしか久坂の姿が黒い渦の中へと消える。
どうすることもできなくて、高杉はただその方向を振り仰いだ。
「どうして、なんだよ…っ!!」
悔しさに、高杉がその地面に拳をたたきつける。
久坂から受け取った願いを叶えるならば、自分は久坂を滅ぼさなければならない。それはどういうことになるのか。
それを、自分にさせようとする久坂の気持ちがわからない。
「俺は、どうすればいいんだよ…っ!!」
血がにじむほど、地面を殴った。
自分は久坂を滅ぼすために甦ったのか。
違う。
そのためではない。
ずっと、自分が存在していた意味は、“久坂を活かすため”なのだ。全てを満たす存在であること、それも久坂の願いだ。
だったら、何か他にもできることがあるはずだ。
久坂は“待っている”と言った。
それが、最後のメッセージなら、その先にきっと何かあるはずなのだ。
あせってうまく思考が働かない。それでも、懸命に、どうすればいいのか考える。
「久坂…っ!!」
搾り出すように叫んで、高杉は拳をにぎりしめた。
第27話 了・続く
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その言葉に、高杉がその約束を思い出したようで、目を見開く。
高杉がちゃんと思い出してくれたことを確認して、久坂がゆっくりと息をついた。
それは、初めて久坂があやかしの状態に陥って、制御できない状態になった時に、交わした約束だった。
あの時、初めて“久坂誠が好きだ”と言葉にして告げてくれた高杉を忘れない。自分の一方的な願いを、誓ってくれた高杉を忘れない。その言葉は、本当は“クサカ”であった時も、何度も高杉に言いたかった事だった。自分を満たす存在でいてほしくて、そして、自分の中のどうにもならないこの力を、滅ぼして欲しかったのだ。高杉以外に、それをしてほしくはなかった。
いつも、いつも、昔から俺は、わがままで。高杉が大好きなのに、置き去りにしていく。
それでもこんな自分を、高杉が望むのなら、追いかけてきて欲しい。その時は、愛じゃなくてもいい。憎んでいてもいいとさえ思っている。それでも、追いかけて来てほしいのだ。
そんな風に、いつもわがままだ。
そう久坂は心の中でつぶやくと、再び口を開いた。
「俺の望みを、もうお前は受け取ってくれたはずなんだ。だから、お前にしかできない事なんだよ。俺は、ずっとずっと、俺の望みを叶えてくれるお前を望んでたんだよ。本当は…もっと早く、こうしなきゃいけなかったんだろうけど…。でも、俺、お前のこと好きすぎて、どうしても踏ん切りがつかなかったんだ。お前に話すことすら、できなかったんだ。自分の力を、忘れてしまいたかったんだよ。でも、それが結果的に、今回のことを引き起こしてしまったんだ」
そこまで言って、久坂が目を伏せた。
そのまま、視線を走らせて、高杉と、桂との距離を測る。
久坂の力が動いたことに気がついた二人の動きを、久坂が笑顔で制した。
「俺たちはつきあいが長いから…。ごめんね、桂。でも、お前にも、俺はやっぱり甘えてるね」
「久坂?!」
久坂の周りに、黒い力が壁のように競り上がった。その勢いに、高杉も桂も、視界を奪われた。
「…っ、!!」
桂が一帯に張っていた結界が、ガラスが割れるような音をたてて、崩壊した。一瞬の出来事に、桂の動きが止まる。こうなると、桂もうかつに動くわけにはいかなかった。先ほど久坂が言ったように、付き合いの長いクサカは桂の力を熟知していて、本体までその力で侵入してくるほどの力を持っている。そして、お互いの力を知っているからこそ、本体が本調子でない桂が全力を出せないことを知っているのだ。
もし今久坂を止めるために力を動かそうものなら、また時空をゆがめてしまう可能性もある。火印に頼ることもできない。
結界を砕くほどの力がその周囲に流れるのを止めるのに今の桂だけの力では間に合わない。側にいる高杉も、その桂を守って立っているので精一杯だった。ただ、瞳だけは、しっかりと久坂を見つめる。
「…待ってるからね。高杉、俺、お前を待ってる」
「く、さか…っ!」
「…考えたな、久坂…。今の私の力の限界を読んだというわけか。やられたな」
いつしか久坂の姿が黒い渦の中へと消える。
どうすることもできなくて、高杉はただその方向を振り仰いだ。
「どうして、なんだよ…っ!!」
悔しさに、高杉がその地面に拳をたたきつける。
久坂から受け取った願いを叶えるならば、自分は久坂を滅ぼさなければならない。それはどういうことになるのか。
それを、自分にさせようとする久坂の気持ちがわからない。
「俺は、どうすればいいんだよ…っ!!」
血がにじむほど、地面を殴った。
自分は久坂を滅ぼすために甦ったのか。
違う。
そのためではない。
ずっと、自分が存在していた意味は、“久坂を活かすため”なのだ。全てを満たす存在であること、それも久坂の願いだ。
だったら、何か他にもできることがあるはずだ。
久坂は“待っている”と言った。
それが、最後のメッセージなら、その先にきっと何かあるはずなのだ。
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2009/07/03
12:00:00
えっと、一応キャラ投票を行っております。
ブログのサイドにあります。
今回は特に企画と連動しているわけでもないですし、締め切りも特にないので、いつもより投票率は低いですが、でも、実はこれ、2部に活躍させるキャラの参考にもなるので…。もし、この人物の話が見てみたい!というのがありましたら、コメも入れてみてくださいね!2部はまだまだ構想を練っている状態なので、ご希望を入れられる余地もあるかと!
もちろん、単独でお話が読みたい時はキリ番リクエストをおすすめいたしますv次のキリ番は33333なので…まだまだ先ですが…。
実は現在の状況はちょっとおもしろいことになってまして。
一位が同率で3人です。
高杉、栄太、西くんが同率で1位なんですよ。次がかなり離れて久坂。そして、北。…桂や、入江先生は一票も入ってないんですね〜。人気ないですね〜(笑)
うーん、2部。本当にちゃんと構想を固めないと、1部をどう完結させるかにもよるし。今も伏線を張り始めているので、それをちゃんと拾えるような話にしないといけないし。
いろいろとまだまだ問題は山積みです。
そして、今夜の更新で第27話最終です。
28話の連載準備もやらなきゃ!応援よろしく御願いしますv
がんばります!
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今回は特に企画と連動しているわけでもないですし、締め切りも特にないので、いつもより投票率は低いですが、でも、実はこれ、2部に活躍させるキャラの参考にもなるので…。もし、この人物の話が見てみたい!というのがありましたら、コメも入れてみてくださいね!2部はまだまだ構想を練っている状態なので、ご希望を入れられる余地もあるかと!
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実は現在の状況はちょっとおもしろいことになってまして。
一位が同率で3人です。
高杉、栄太、西くんが同率で1位なんですよ。次がかなり離れて久坂。そして、北。…桂や、入江先生は一票も入ってないんですね〜。人気ないですね〜(笑)
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