ボーイズラブが前提の長編小説です。主人公は高校生。ある日、不思議な少年に出会ったことから、怪奇な事件に巻き込まれていく。惹かれ合う2人だったが…?!
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プロフィール

あまふりあおの

Author:あまふりあおの
あまふり・あおの

普段は絵描きをしている腐女子な主婦。無事出産で、現在一児の母。
たまりにたまった萌えをはきだすために、BL小説街道爆進中です。
長編ですので、ちょっと読むのは大変とは思うのですが、感想等いただけると非常にうれしいです。
もともと絵描きだから、たまには絵もアップ♪




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Welcome to 雨振舘 !!
お話のタイトルは「DARK HALF」です。中学生でも読んでも大丈夫!ですが、ちょこっとそういう描写もありますので注意です!(指定するほどじゃないので…)
管理人の日記はリンクから”雨振舘つれづれ日記”へどうぞ。お話についてもつぶやいてます。
拍手、コメント、メール大歓迎です!感想ぜひぜひクダサイ!
著作権放棄してないですよ。無断使用、転載等やめてくださいね。

☆管理人とはこんな奴
☆日記はこちら
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☆あらすじへ


DARK HALF第14話・12 
2008/05/15 /18:19
 数秒後に川向こうの建物の一つが轟音を立てて崩れる音が夜空に響く。
暗闇の中に、燃え上がる炎が見える。どうやら、高い建物を直撃したらしい。
「久坂…そんな…」
 高杉が、信じられない、というようにその光景を呆然と見つめていた。
 どんなことがあっても、クサカは人間の住んでいる場所を襲うことはなかった。人間に害をなすと思われることを一切したことがなかった。人間の男への想いから“人を喰らわない”という縛りを自分自身にかけてしまうほどその意志は固かったはずだ。
 少なくとも、自分の知っているクサカはそうだった。
 それだけに、今目の前で起こったこの出来事が信じられない。
「邪魔を…邪魔をするなーっ!!」
「!!」
 久坂が、体当たりをしてきた栄太に向かって、両手を振り下ろした。その手からまるで雷のような光がまっすぐ栄太を襲う。それをとっさに乙庚剣で受けるが、そのまま後ろへ吹き飛ばされた。
 両膝と片手を地面についてなんとか体勢を立て直して先程久坂の力を受け止めた乙庚剣に目をやり、ぎょっとする。
「乙庚剣が…欠けるなんて…。なんて力だよ…」
 剣を握ったまましびれたようになっている右手を振る。そして立ちすくむ高杉を見やった。
「あれは…久坂なのは間違いないようだぜ。どうしてあんな風になってるのかはわかんねぇけど…。直接力を受けたからわかる。間違いない。だとしたら…」
「だとしたら?」
「久坂が転生した時にもっていた“あやかし”の部分が表に現れたってことかもな。桂が、前に危惧していただろ。端的にいえば、久坂の人格とかそういったものを無視した、本性ってやつじゃないかな」
「本性…」
 確かに、クサカが転生して人間の部分とあやかしの部分を併せ持っている限り、人間としての久坂が制御できない部分で、あやかしの力が暴走してしまう可能性は危惧していた。しかしそれは妖力があまりにもなくなって、それを補うために本能としてあやかしの部分が目覚めた時だと思われていた。今のこの状況は幻妖の何かしらの作用によって現れたものだ。だとしたら、無理矢理持っていたあやかしの部分が表層に引っ張り出されてきたようなものなのかもしれない。
 “久坂”はどこに行ってしまったのかは、この状況ではわからなかった。
「お前たちは妖か?なぜ止める?お前達がそれぞれの属性から力を得るように、俺が人間を喰らって力を得るのがなぜいけない?ましてや、俺は空っぽだ。この空虚さを埋めるには力を得ることしかないではないか」
 久坂の赤い瞳が、高杉と栄太を睨む。
「違う、お前が久坂なら、そんなことしなくったって力を得られるんだよ!どうしちまったんだよ、目を覚ませよ!!」
 栄太がそう叫んで、再び久坂の前に立ちふさがった。その言葉に久坂がわずかに眉をしかめる。
「邪魔をするというなら、お前から喰らってやってもいいんだぞ。それでも多少はこの空しさを埋めることもできよう」
「行かせねぇ…!!」
 乙庚剣を構えた栄太に、久坂が右手の力を集めて、刀のような形をつくる。
「お前…やっぱり、久坂が中にいるな?!その力の表出は俺が久坂に教えてやったものだ、クサカは使っていなかった。だったら…」
「わけのわからないことを」
 久坂がその力を頭上に振り上げた。そのまま振り下ろされる力を栄太が防ごうとした瞬間、力を放ったと同時に久坂が栄太の懐に潜り込むように移動していた。
「速い?!」
 驚く栄太をそのまま吹き飛ばす。そして振り向きざまに身構えることも忘れて立ちつくしていた高杉へと力を放った。

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DARK HALF第14話・11 
2008/05/14 /18:14
「ぐっ!!」
「高杉!!」
 あまりに突然の事に、防御の姿勢を取ることが精一杯だった。そのままはじき飛ばされる。
「大丈夫かよ?!」
 栄太が駆けつける。
「ちょっと…まともにくらったな。あれが“黒い力”か?!」
「あれが…確かに、学校の屋上に現れた奴と同じだな」
 栄太は無意識に自分の脇腹に手を当てた。秋に屋上で襲ってきた黒いあやかしと戦った時えぐられた箇所だった。
 黒い霧のようにうずまくその力の中心に、人影が見える。
 2人は同時に息を飲んだ。
「そんな、まさか…」
 高杉がふらりと立ち上がる。その正体をしっかり確かめようと、一歩前に踏み出した。もう一歩近づこうとした時、中心にいた人物が目を開いた。
 まっすぐに高杉を見つめる。
 その瞳の色は炎の色をしていた。
「久坂!!」
 そこには、表情もなく久坂が立っていた。身体を覆っていた黒い霧がだんだんとその身体の中へ吸収されていく。
「なるほど、このくらいの覚醒では黒い力もその程度ということか?それとも、やはり人間に転生した影響か…?いずれにしても、中途半端だが仕方ないな。…おい、黒い力について知りたいなら直接本人に聞くがいい。答えられたら、だけどな」
「どういうことだ?!あれはお前のしわざか?何をしたんだよっ!!」
「オレがしたのは、あれ本来の力を取り戻すように仕掛けをつくってやっただけだ。人間の殻をすてて、あれは本来のあやかしに戻るのさ」
 そういうと幻妖の姿はあっという間に暗闇の中へかき消された。
「ま、待てっ!」
 栄太はくやしそうに幻妖の消えた空を睨む。そしてすぐに久坂へと向き直った。
「どういうことなんだ?!あの力は久坂のものだとでもいうのかよ?!」
「………」
 高杉は声を出すこともできず、久坂を見つめた。
 間違いなく、今自分を攻撃した力は目の前にいるこの久坂から発せられたものだった。
 幻妖を取り逃がしてしまった以上、どうして久坂がこんな状態になっているのかわからない。先程の幻妖の言い方では、久坂に何かをしたことは確かだ。
 確かめなければ、何もわからない。
 そう考えて、高杉は地面を蹴った。
 身構えることもなくぼんやりと立っている久坂に向かって力を放つ。まずは黒い力をなんとかしないといけないと思った。
「縛!!」
 高杉の手から水が迸る。水は久坂へと伸びた。それが久坂の周りを取り囲もうとした時、久坂がふっと右手をあげた。
 無言のまま自分の方へ伸びてきた水を掴む。
「な…っ!!」
 高杉が驚きの声をあげる。
 高杉が放った力が、目の前で消滅していた。久坂は先程まで水を掴んでいた手を軽くふった。
「相殺した…?片手で…?」
 予想外のことに動くこともできないでいる高杉に、ゆっくりと久坂が顔を向けた。
「誰だ…?お前は…?」
「久坂!」
「…さっきからずっと呼ばれているような気がするが…。それが、俺の名だとでも…?」
 理解できない、というように久坂が眉をよせる。そして、辺りを見回した。
「ここは…人間の匂いが充満しているな。相当数の人間がいるようだ。狩るにはちょうどいい場所かも知れないな」
 驚いて目を見張る高杉を尻目に、久坂が自らの手を川向こうの町並みへと向けた。
「…っ!止めろ!!」
 栄太が叫んで久坂の身体に体当たりをするのと、久坂の手から力が発せられるのは同時だった。

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