2009/01/14
19:00:00
「何もしないと思っていたら、何だ、いきなり。力のほとんどを失っているお前ごときに久坂が倒せるはずもない。すでにぼろぼろではないか。何を血迷ったことをしているのだ」
「これは…、北、こそ…どうして…」
「お前の役割はこういう事ではないはずだろう。どうしてそのような無茶をする」
「北…」
まるで西を心配しているかのようなその口調に、西も戸惑っているようだった。不安そうに、久坂と栄太を見ると、北と入江を交互に見る。そして最後に、もう一度久坂と視線を合わせた。
「黒い力…、ですか…。北、も西、くんも…君たちは、黒い力のあやかし…」
入江が、北と西を見つめたままつぶやく。その入江に、久坂と栄太が駆け寄った。
「先生、大丈夫ですか?!」
「入江、お前なんでこんなところにいるんだよっ!」
「僕は…」
どう考えればいいのか入江もわからないのか、珍しく混乱した表情で入江がうつむく。その表情から、入江は西の正体を知らなかったのだと久坂は感じた。
知らずに、西と出会って、そしてどのようなことがあったのか詳しくはわからないけれど、西は入江を好きになった。そして、だからこそ、自分を消そうとしてきた。そこまではわかるが、自分を消そうとする理由については、まだわからない。
「その人間はなんだ?幻妖が目障りな力を持つ、といっていた奴か?どうして西と一緒にいるのだ?そもそも、どうしてそんな人間ごときにお前が…」
そう自分で言ってから、北が途端に口をつぐんで、しばらく何かを考え込んでいた。
「…幻妖め、わかっていたのに、われわれに報告しなかったな…?奴はこの人間についても調べたはずだ。だから、そうなのだとしたら、西、お前がわざわざこの人間に関わろうとしたのもうなずける」
「き、北…っ!」
抱かれた体制のまま、西が上半身を北に向ける。
「そうか、あの人間が、かつて殺しそこなった…、われわれ黒い力が“殺すべき人間”というわけだな」
「!!」
その言葉に入江が目を見開く。何かを言おうと口を開いて、すぐに閉じる。そして何かに耐えるように瞳を閉じた。
「やっぱりあいつらが、かつて入江を襲った力の正体か」
栄太の言葉はそのとおりだと思うが、久坂はすぐに返事を返すことができなかった。北と西があやつっている力…自分たちが“黒い力”そのものだと言っていたが、それは自分の中にあるものと同じなのだ。
そして何よりも、入江の反応が気になった。
「…そうか、お前たちが、僕を襲った…妹たちを殺した…あの時の…あやかしなんだな…」
入江が顔を上げないまま、ゆっくりとつぶやく。
「せんせ…」
「なるほど、確かに条件よくそろっていたものだ。潜竜復活の鍵を握る“種”二つがここに集っているのだからな。こんなことなら、はじめからそこの人間を疑ってかかっておれば、手間は省けたものを。俺にはわかる能力などないが、西、お前はすぐわかったはずだ。どうしてすぐに俺に言わない?」
「………」
「この間から何をこそこそしているのかと思っていたが、この人間と会っていたのか?殺す機会を伺っていたんだな?」
「西、くん、が…そういう目的で、僕に近づいた…?」
顔を上げない入江がまたゆっくりとつぶやく。
「違…、お、俺…」
次々と入江の前で明らかになっていく事実にどうしていいのかわからないのか、西がいやいやをするように首を振った。一番知られたくなかったことを入江に知られてしまったのだ。
自分が、入江を襲ったあのあやかしであると。
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「これは…、北、こそ…どうして…」
「お前の役割はこういう事ではないはずだろう。どうしてそのような無茶をする」
「北…」
まるで西を心配しているかのようなその口調に、西も戸惑っているようだった。不安そうに、久坂と栄太を見ると、北と入江を交互に見る。そして最後に、もう一度久坂と視線を合わせた。
「黒い力…、ですか…。北、も西、くんも…君たちは、黒い力のあやかし…」
入江が、北と西を見つめたままつぶやく。その入江に、久坂と栄太が駆け寄った。
「先生、大丈夫ですか?!」
「入江、お前なんでこんなところにいるんだよっ!」
「僕は…」
どう考えればいいのか入江もわからないのか、珍しく混乱した表情で入江がうつむく。その表情から、入江は西の正体を知らなかったのだと久坂は感じた。
知らずに、西と出会って、そしてどのようなことがあったのか詳しくはわからないけれど、西は入江を好きになった。そして、だからこそ、自分を消そうとしてきた。そこまではわかるが、自分を消そうとする理由については、まだわからない。
「その人間はなんだ?幻妖が目障りな力を持つ、といっていた奴か?どうして西と一緒にいるのだ?そもそも、どうしてそんな人間ごときにお前が…」
そう自分で言ってから、北が途端に口をつぐんで、しばらく何かを考え込んでいた。
「…幻妖め、わかっていたのに、われわれに報告しなかったな…?奴はこの人間についても調べたはずだ。だから、そうなのだとしたら、西、お前がわざわざこの人間に関わろうとしたのもうなずける」
「き、北…っ!」
抱かれた体制のまま、西が上半身を北に向ける。
「そうか、あの人間が、かつて殺しそこなった…、われわれ黒い力が“殺すべき人間”というわけだな」
「!!」
その言葉に入江が目を見開く。何かを言おうと口を開いて、すぐに閉じる。そして何かに耐えるように瞳を閉じた。
「やっぱりあいつらが、かつて入江を襲った力の正体か」
栄太の言葉はそのとおりだと思うが、久坂はすぐに返事を返すことができなかった。北と西があやつっている力…自分たちが“黒い力”そのものだと言っていたが、それは自分の中にあるものと同じなのだ。
そして何よりも、入江の反応が気になった。
「…そうか、お前たちが、僕を襲った…妹たちを殺した…あの時の…あやかしなんだな…」
入江が顔を上げないまま、ゆっくりとつぶやく。
「せんせ…」
「なるほど、確かに条件よくそろっていたものだ。潜竜復活の鍵を握る“種”二つがここに集っているのだからな。こんなことなら、はじめからそこの人間を疑ってかかっておれば、手間は省けたものを。俺にはわかる能力などないが、西、お前はすぐわかったはずだ。どうしてすぐに俺に言わない?」
「………」
「この間から何をこそこそしているのかと思っていたが、この人間と会っていたのか?殺す機会を伺っていたんだな?」
「西、くん、が…そういう目的で、僕に近づいた…?」
顔を上げない入江がまたゆっくりとつぶやく。
「違…、お、俺…」
次々と入江の前で明らかになっていく事実にどうしていいのかわからないのか、西がいやいやをするように首を振った。一番知られたくなかったことを入江に知られてしまったのだ。
自分が、入江を襲ったあのあやかしであると。
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コメント
し、知っちゃった……!
よくもいらないことを〜!
そういう憶測やそこから出た結論は、自分の心の中で呟いてよ、北ッ!
入江先生も!
西君が自分を好きって言ったこと、忘れてないですよね?!
さっき命掛けで西君を助けたこと、絶対後悔しないでください〜!(泣
ついでにもうひとつ我儘言うと、西君を憎しみの感情が籠った目で見ないで下さい……。
そういう憶測やそこから出た結論は、自分の心の中で呟いてよ、北ッ!
入江先生も!
西君が自分を好きって言ったこと、忘れてないですよね?!
さっき命掛けで西君を助けたこと、絶対後悔しないでください〜!(泣
ついでにもうひとつ我儘言うと、西君を憎しみの感情が籠った目で見ないで下さい……。
葵月│URL│2009/01/14(Wed)19:43:02│
編集
<柚子季さま
とうとうばれてしまいました!
高杉復活に関わることも…。
先生はそれをどう受け止めるのか?まだまだ続きます!
高杉復活に関わることも…。
先生はそれをどう受け止めるのか?まだまだ続きます!
あまふりあおの│URL│2009/01/14(Wed)23:12:58│
編集
<葵月さま
先生が唯一憎しみをあらわにする、あのあやかし、が西くんだとわかったわけですから…。ただではすまないかと…。西くんを助けた先生の気持ちも、絶対嘘ではないとは思うんですけど…。どうなるか?!
あまふりあおの│URL│2009/01/14(Wed)23:14:35│
編集
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でもでも、北、なんか重要なこと言ってる?!
高杉復活にかかわる種?!
あぁ〜〜謎!
そんでもって西くん・・・こんな知られ方最悪だ(涙
センセ〜〜〜うぅぅ